Dante(デジタルオーディオ)導入によって従来では不可能だったTricaster(スイッチャー)とTF5(ミキサー)の音声接続でINとOUTがそれぞれ16chやり取り可能になりました。
日本橋浜町Gスタジオと、アクアシティお台場1スタジオに実装しました。
Tricasterで扱う音声信号はリモート、マルチカメラからのエンベデット音声が増える多チャンネル化していきます。
Tricaster2Eliteの場合を見てみましょう。
アナログのAUDIO IN はIN1~IN4までの4系統。
AUDIO OUTはMasterとなるOUT1以外はAUX1で使用するOUT2の2系統しかありません。
しかもアナログ入力ではヘッドルームが狭いと印象のよくない傾向があるので、外部でエンベデット処理をするなどの方法が利用されています。
このアナログのプリアンプを使わずにデジタルのままで音のやり取りを行いたいのは当然の流れです。
Danteを利用することで一気に音質とチャンネル数の問題が解決します。
デジタルのIP伝送で音をやり取りするので、アナログの回路を使うことなく高品質な音を送り、受けが可能です。
入力も出力も8系統のステレオ素材16chを送り、受けできます。
ちなみにzoomなどの-1返しやTricasterへの受け取りに固定されたチャンネルはINとOUTともに15~16chとなります。
これにより従来zoomなどオーディオインターフェースを利用してPCから音声の抜き出し、ー1送りを行っていた手間が不要になります。
Tricaster内部でのルーティングを利用しなくてもMixerに任せられることで確実な音声管理が可能です。
多くのチャンネルで個別の音をミキサーに渡せることで、細かな音響バランス表現が可能になります。
パンダスタジオでは日本橋浜町Gスタジオと、アクアシティお台場1スタジオでDanteが実装されてミキサーとの多チャンネル接続が可能になっています。
規模の大きなe-Sports番組や、多拠点接続の生中継などで威力を発揮することでしょう。
尾上泰夫